音楽班

音楽班の活動報告や楽曲紹介などです。

十二技音法を使ってみた

これはKCS AdventCalendar2019 18日目の記事です

←17日目 19日目→

どーも、まんたあにど です。

前回(13日目)はうちの子がいると人生楽しくなるよ、という趣旨の記事を書きましたが、今回は音楽班らしく音楽に関することを簡潔に書きたいと思います。

作曲というと、コード進行やスケールといったことを思い浮かべるかもしれません。よく耳にするような、現在主流でつくられている曲にはそういった技法のほかに転調やハ長調といった調が存在します。

この調に対するアンチテーゼとして挙げられた音楽の一つである十二技音法について紹介したいと思います。この方法はコード理論のように複雑なものではなく、単純明快で非常にわかりやすく、且つ簡素で実践しやすいという点で初心者にもとっつきやすいものであると思います。

この記事が何かの役に立てられれば幸いです。

背景

音楽への試みは古来から行われ、モーツァルトやベートーヴェンで有名な古典派、ワーグナーやブラームスで知られるロマン派など、歴史的に幾多もの形式が誕生した。そんな中、20世紀初頭になるとこれら調性音楽とは違う方法で作曲を試みる機運が生まれ、シェーンベルクらによって調性に基づかない音楽、「無調音楽」が生まれた。十二技音法は無調音楽への試みの中で、主にそのシェーンベルクによって提唱された技法であった。しかし、無調音楽からはいわゆる名曲が生まれず、現在でも愛好家たちによって様々な試みがなされている。

概要

そもそも十二技音法とは何ぞや、という話ですが、簡単に言えば鍵盤一オクターブ分にある白鍵と黒鍵を全部用いて曲を作るという方法です。半音も含めてドレミファソラシを好きなように全部並べて旋律を作るという感じです。背景にもある通り、調性音楽への試みが長年行われ続け、その果てに登場した音楽による作曲方法でもあるので、その雰囲気は調性音楽のそれとは全くの別物で、なんだかグチャグチャしたような不可解な印象を受けるかもしれません。このような特徴を持っているので、ゲームでいうラスボス戦やホラーな場面に利用されることがあります。例えば有名なところでは、ドラゴンクエストの『大魔王』や『悪の化身』があります。(かなりわかりやすく紹介してくれている動画があるので貼っておきます)

https://youtu.be/CilIcnF8crI

この記事でも十二技音法を用いてホラーな感じの曲をなるべく、より雰囲気が出るように作り直すことを試みたいと思います。

実践

音源は、著作権を考えないで済むため以前自分が作った曲の一部を用います。

Before

この曲を構成する音のうち、一番最後に加わってきた金属音に注目します。MIDI上では以下のように鳴っています。

アドベント1

これを十二技音法で改めます。先ほどの動画で紹介されていたドラクエの曲での使われ方を見ると、おおよそ順番に、且つ高低差をつけるように音が並べられているように見えます。これを参考にして同様に自作曲の音も順番に、且つ高低差がつくように並べていきます。他の音色とも親和するように気を付けていきます。

無題

早速聞いてみます。

After

おわかりいただけただろうか

この曲自体、他の音についてもコードや和声をあまり考えずに並べられているので、ある意味無調音楽としての特徴を元々備えていたのですが、「十二技音法」という先人たちが編み出した技術を用いたことで、微妙かもしれませんがより曲の不気味さが出たと思います。

終わりに

コードや調性、和声といった難しいと感じるであろう部分を全て取っ払って曲を作り直してみました。勿論、無調音楽だけでは作られる曲の種類がかなり限られてきますので、幅広く様々な曲を作っていきたいとなるとやはり、調性音楽を勉強していく必要があります。ただ、今回紹介した技は無調音楽だけでなく、調性音楽の旋律などにも用いることができます。適宜用いてみることで、調性音楽だけを学ぶ以上に作曲の幅が更に広がると思います。

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

では。

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「Twinkle Stars」の修辞学的考察【前編】

この記事は、KCS AdventCalendar2019 3日目の記事です。

←2日目 4日目→

 

こんにちは。KCS音楽班のRinjuです。この記事では、「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」の挿入歌および主題歌である「Twinkle Stars」(作詞:大森祥子さん、作曲・編曲:高木洋さん)を修辞学的に考察します。音楽理論の話はしないので、音楽班以外の人にとっても面白く読んでもらえるのではないでしょうか。よろしくお願いします。

まずは題材曲を紹介します。

Twinkle Stars(TVED ver.)

余談ですが、イントロとアウトロをED用に作り、重要なメロディを抜くことで、映画で観るまでは普通の曲(言うまでもなく良い曲)に聴こえるようにしているのがスゴイと思います。

本記事で扱うのは上記Short ver.ではなくフルver.なので、この記事を読んで気になった人は音源を買うか、僕からCDを借りるかしてください。

原理

物語と音楽の繋がりと言えば、古きに目を向ければ古代ギリシャの劇(ドラーマ)まで遡れるのではないでしょうか。僕はそこら辺は未履修なので、現在履修中のバロック音楽(オペラ)の理屈で以って当該曲を考察します。しかしながら、「Twinkle Stars」作曲者の高木洋氏は音楽大学出身で、「ルパンレンジャーVSパトレンジャー」OPにて対位法による作曲を披露している(対位法はバロック時代に発達した作曲法です)ので、この仕方で得られる考察はまあまあ的を射ている可能性がなくもなくもなくもないかなと思います。

注目したいのは、「フィグーラ(音楽的修辞)」です。フィグーラとは、表現したいことを伝えるために用いられる特別な音の使い方を意味します。死を表現するときには音を下降させ、気持ちの悲痛さを伝えるために敢えて不協和音を鳴らす、といったことです。

なお、本記事で扱うフィグーラはバロック音楽に見られるそれと必ずしも同一ではなく、あくまでその考え方に当てはまる事柄をまとめたものです。バロックのフィグーラに興味がありましたら、一般教養科目の音楽を履修してください。先生の名前は、こういう場で言っていいかわからないので、リアルで聞かれたら答えます。また、この記事に書かれている内容は完全に僕の主張であって、今回の考察が見当違いだったとしてもそれは僕が勉強不足なだけということをここにことわっておきます。

以上をまとめると、「Twinkle Stars」に使われているフィグーラを発見し考察するのが、本記事の主題です。

 1.構成

「Twinkle Stars」は映画の内容に従った曲構成をしています。

まず、「Twinkle Stars」が劇中で歌われるに至る物語を書きます。

星の子ユーマは、成長して星になる生き物です。終盤、敵の強烈な悪意を受けて、ユーマは黒く禍々しい星になってしまいました。プリキュア(ひかる:キュアスター、ララ:キュアミルキー)はユーマを救うために、星の中に入っていきます。

星は、ユーマがひかる、ララ、フワ(妖精キャラ)と一緒に見たものの記憶で出来ていました。二人は星から雷を受けて、変身が解け、星のコアに落ちていきます。

海の中で、以前ユーマが混乱したときに「ながれぼしのうた」(劇中に登場するきらきら星に似た童謡)を歌ってあげたら落ち着いたことを思い出したララは、同じように「ながれぼしのうた」を歌います。ひかるがそれに続くと、どこからかユーマの声が聞こえてきました。二人は歌い続けます。そうして「Twinkle Stars」が始まります。

CD音源を聴くと、「Twinkle Stars」が、この曲が歌われた文脈までも内包していることに気が付きます。つまり、「Twinkle Stars」は「ながれぼしのうた」が歌われるところから始まります。

以降、物語に応じた曲展開・メロディが見られます。

構成をまとめます。

「ながれぼしのうた」(ハ長調(:C)→ニ長調(:D))

「Twinkle Stars」1番(ヘ長調(:F)→変ロ長調(Bb)→ト長調(:G))

「Twinkle Stars」2番(ト長調(:G))

「Twinkle Stars」Cメロ、Dメロ、Eメロ(ト長調) ※ラスサビはない(!)

この構成は、物語によって説明されます。1番ではひかるとララが変身し、2番ではユーマがプリキュアに気付き、その後は星の生まれ変わりを描いています。詳しくは以降で説明します。

作曲法はフィルムスコアリング(映像が先にあって音を付ける手法)ではありませんが、田中裕太監督、脚本の田中仁氏の考えに基づいて高木洋氏が映画と同時進行で作られたそうですので[1][2]、物語との結びつきの強さには説得力があります。

2.主旋律に散りばめられた律動

ベートーベンはバロックの作曲家ではありませんが、「運命」のダダダダーン!が、運命が扉を叩く音だというのはよく知られた話だと思います。

それに似た話をします。

ここに心音のリズムとでも呼ぶべきリズムがあります。

心音を模したリズム

図1 心音のリズム1

※図1はNotionというソフトウェアで作りました。今日初めて使ったので左端の謎休符コンボとか右端の黄色い長方形とかは是非温かい目でスルーしてください。

ド・クン、ド・クン…というリズムです。図1では、「ド」を弱拍に、「クン」を強拍に置く形で書いています。

これが用いられている曲としては、高取ヒデアキさん作曲「Alright! ハートキャッチプリキュア!」、Revoさん作曲「心臓を捧げよ!」が挙げられます(いずれもサビ)。

Alright! ハートキャッチプリキュア!(2:53~)

心臓を捧げよ!(5:32~)

TVの方のスター☆トゥインクルプリキュアでもこのリズムは登場しています。プルンスの推し・マオの歌「コズミック☆ミステリー☆ガール」(渡辺剛さん作曲)です。「盗んだハートは大切なコレクション」等と言った箇所です。恋して胸がドキドキ、ということでしょうか。

さて、Twinkle Starsのサビではこの心音のリズムが用いられています。

高木洋氏本人が書いた楽譜は、サビ冒頭のみ映画コメント色紙にて確認できました[3]ので、図2ではそれに基づいて楽譜を書きました。

心音を模したリズム

Twinkle Stars「わたしたちは星」

図2 Twinkle Starsに見られる心音のリズム1

煩雑さを避けるために約2小節分だけ書いていますが、この後は繰り返しなので結局心音のリズムが続きます。楽譜で確認しなくても、歌ってみればそれが同じリズムだとわかると思います。

次に、心音のリズムを1.5拍後ろにずらします。

心音のリズム2

図3 心音のリズム2

クン、ドクン、ドクン…という感じですね。これはTwinkle Stars Aメロ、「「わくわく」はどこから来るの? ときめく想いが連れてくる」の箇所等で部分的に使われています。初めに置いた「Twinkle Stars」の動画で、キュアスターが胸の高鳴りをジェスチャーで表現しながら「わくわく」と歌っているのがわかると思います。

さらに、心音のリズム1を0.5拍前にずらします。

心音のリズム3 (2)

図4 心音のリズム3

ド(強拍)クン(弱拍)、ドクン、…という感じです。

これはTwinkle Stars Cメロの「遥かなプレゼント きみとの記憶が 未来で希望、力になる」等の箇所で部分的に用いられています。

このように、Twinkle Starsには心音のリズムが散りばめられています。

ユーマというキャラクターは、「星もまた生き物である」ことを体現しています。星と「わたしたち」を結ぶモチーフとして、命を表現しようとして心音を用いたのだと僕は考えています。また、ユーマたちは劇中で地球の秘境巡りをしますが、その中には地球の心臓であるところのコアに繋がるヤスール火山もあります[4]。脚本の田中仁氏は、美しい大自然を巡る中であえて危険な火山を選んだことについて、

マグマの下には地球のコアがある。ユーマ自身も実は星のコアなので「同じ属性のものが直接触れ合える場所」という意味も込めてセッティングしました。[5]

と述べています。「ながれぼしのうた」を歌う前にひかるとララが落ちていくのはまさに星のコア(ヤスール火山の記憶)でした。そうして、Twinkle Starsが歌われたのは星の中心にあるオルゴールでした[6]。それが歌われる物語的意味から考えても、またそれが歌われる場所から考えても、Twinkle Starsで心音のリズムを使うのは最適で、最高に物語に寄り添った選択だったと思います。

これは感想ですが、星と「わたしたち」が同じだという歌で、断定形の歌詞が多い中で、Cメロの「きみも同じだといいな」が祈るような言い方なのが泣ける。ユーマとはいつかは会えるのだろうけれどユーマが「今」どう感じているかは想像して、そうだといいなと思うしかないんですね。でもその気持ちは弱くなくて、そうだよねって信じている。メロディで「同じだ」歌詞で「同じだといいな」って…………

次回予告

この曲については、現状あと4つ扱うべき事項があるんですが……。今回のように楽譜を作る必要があるのはあと1つだけなので、後編に回しても労力的には問題ないと思います。

「Twinkle Stars」には、フルにはあるがTV ED版にはない音色があります(実は映像にもあります)。フルにだけ入っている音を抽出してLINEに投げてみました。具体的には、TV ED版の位相を逆にして、ノイズキャンセルの要領でフルからTV ED版と同じ音を消して再生した動画を送りました。その際の反応がこちらです。

Reaction

日吉代表supercellくんは、いったい何が「「言葉」でなく「心」で理解できた!」のか? 続きは12月6日(金)のアドベントカレンダーにて。乞うご期待!

参考文献

[1]コミックナタリー 映画「スタプリ」ユーマの声を担当したのは…田中裕太監督らが制作秘話明かす

[2]アニメージュ スター☆トゥインクルプリキュア特別増刊号46ページ

[3]Twitter_映画スター☆トゥインクルプリキュア

[4]「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」パンフレット

[5]アニメージュ スター☆トゥインクルプリキュア特別増刊号47ページ

[6]アニメージュ スター☆トゥインクルプリキュア特別増刊号42ページ

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Rinju史上最速の作曲法

こんにちは、Rinjuです。KCS音楽班に所属する1年生です。今日担当なのに、今日の17時から書き始めるという不手際。そしてうまく書けずに内容変更と相成ってしまいまして、時間のない状況であります。

ん? 今、時間がないって言いました!?

言ってないし! 計画通りだし!! と言いたいところですが今回は「時間がない」と言って話を始めます。というのも、締め切り間際で時間がないときとか、とりあえず形にしてから考えたいときとかに、さっと楽曲を作ってしまう方法を僕なりに考えて実行してきたので、それを今回の記事では紹介しようと思うからです!

僕はTwitter上にて週2回程度のペースで開催されるイベント「深夜の2時間DTM」に何度か参加してきました。その過程で、2時間じゃぜんぜん曲作れないよー…と悩まされてきました。それでも参加をやめなかったのは、速く曲を作るメソッドを、実践を通して自分なりに作りたいと思ったからです。

とりあえずその現状を「Rinju史上最速の作曲法」と題してまとめたいと思います。そんなことわかってるという人もいるかもしれませんが、ご容赦ください。

1.環境を整える

最速の作曲は、音符を入力する以前に始まっているということです。

パソコンが快適に動作するようにしておいたり、MIDIキーボードなどの入力を楽にする機材を導入しておくことはもちろんのことですが、その他にできることはまだまだあります。

①トラックの整理

曲がふつうに曲として聞こえるために適切なトラック数の下限は「4」であると僕は考えます。4という数字にするとミスタに怒られそうですね。でも4です。

1.メロディ

2.コード

3.ベース

4.パーカッション

内訳は以上です。ベースはコードに含めればよいのでは? なんて思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、メロディ:高音域、コード:中音域、ベース:低音域の配置を意識しているのと、コードトラックにベースが含まれているとごちゃごちゃした譜面になるという理由でベースは分けます。

これを基本にしておけば、急いでたらベースの入力忘れてたなんてことはなくせますし、今入力してる部分のコードは何だっけかと思ったとき、調べるのが容易です。お使いのソフトによるかもしれませんが、例えばStudio OneというDAWにはフォルダトラックを作る機能が付いていますので、上の4分類でフォルダを作ってトラックを分類しておけば、見た目にもきれいになります。

見た目がスッキリしていると、モチベーションの低下を食い止める効果があります。これはがちです。

なおフォルダは上に上げた順番にしましょう。というのもこうしておけば音の高低とおおむね対応するし、パーカッションを巻き込まず移調できるからです。

僕の曲「欠けた「私」、動き出した心」だと、これが、

 

バラバラなトラック

 

こうなります。

スクリーンショット (4)

段違いにわかりやすくないですか?

あとはトップダウン式に、編集したいトラックを表示すればいいわけです。

「サブメロディ」フォルダは、この曲ではボーカル的なメロディと楽器的なメロディを分けたかったので作りました。

②プリセットの作成

曲を作っていれば、自分で音作りをすることがあると思います。

「ふう~、曲ができた。寝よ」

ちょっと待ってください!

このままだと、この曲を作るのに使った音作りの設定、別曲やるときにやり直しになっちゃいますよ!

曲を読み込むのにはたいそう時間がかかります。だから、自分の曲に使った設定は全部プリセットとして保存しておきましょう。

スクリーンショット (5)

こんなふうにです。

「サイン・オブリガート」、「Rinju SuperSAW」~「電話」は僕が作ったプリセットです。この他、曲のエッセンスといえるものは保存しています。作った音色は自分好みであることが多いわけで、となれば後でまた欲しくなります。従って、プリセットとして保存しておけばすぐに曲作りに入れます。

②作曲をする前に考える。作曲中は感じる。

これはまだ実践しきれていませんが、そういうことなのかなと思っています。

作曲中に考えてしまうと、そのときそのときで考えたことが反映されるのでアイデアに富んだ曲になるというメリットがあるものの、大体は曲調が右往左往して、曲作りに時間がかかる結果になります。

そこで、曲を作る前にコンセプトを決めます。

エレキギターのリフをマイナーで不穏に聴かせる、とか、ジャズでウォーキングベースを使って小気味よく聴かせる、とかです。また、この曲は〇〇を表現するものである、というのもよいです。つまり、楽曲の方向性を定めて、あとは即興的に好き勝手に作ってしまえばいいということです。

そうしたら後は、その即興の中でどういう選択をするとよい曲になるのかを経験的に探っていけばよいのです。

 

③自分が気にならないところは作りこまない

これは手抜きではないか、という誹りを受ける可能性がかなりありますが、曲が作れないよりはマシなので主張の中に入れておきます。

例えば僕は、ドラムにフィルインがあるかないかは結構気になるので作りますが、シンセパッドがロングトーンか切ってあるかはあんまり気にならないので最初は白玉で入力します。最後まで白玉で終わるのもありだと思っています。メロディはどう考えたって聴くので、できるだけこだわって作ります。気にしまくります。ベースのフィルインはあまり気にならないので、時間があったらやるくらいです。結果、ベースは同音連打が多いです。

このように、自分にとって重要な箇所を心得て、そこに力を入れるようにすると、ひとまず要件は満たした楽曲を作ることができます。

スクリーンショット (6)

現在制作中の楽曲「Close the Tragedy, Build the Light」のベース(チェロ&コントラバス)。ベースの役割を果たしているのは下2行分の音ですが、完全に同じ形ですね。これは同じ形でも気にならないし、音が違くても印象がそこまで変わらないと判断したためです。上1行の音は②「感じて」作りました(つまるところテキトーです)が、このフレーズかどうかで全然違う印象になると思ったのでここは絶対キープです。

おわりに

作曲は限りなく凝ることができ、そのせいで難しく思ってしまう人は多いだろうと思います。また、せっかくモチベーションが上がっても、作曲に時間がかかりすぎてそれを維持するのが大変ということもあるでしょう。そこで、試しに僕の主張する、①環境を整えること、②作曲前に考えて作曲中は感じること、③自分が気にならないことは作りこまないことをやってみてくださったら、何か変わるのは間違いありません。

最後に、深夜の2時間DTMと、今日扱った曲のリンクを貼っておきます。

深夜の2時間DTM

欠けた「私」、動き出した心

深夜の2時間DTMは、お題に沿った曲を2時間くらいで作るので、自分でコンセプトを考えられなくても②が実行できます。あと、短いながらも曲数が増えるので、作曲の自信にもつながると思います。参加してみるといいと思います。

 

作曲がめんどくさいDTMerさん、作曲してみたいけどめんどくさそうでやる気でない方、今回の方法を、ぜひ実践してみてください!

 

←7日目 9日目→

Vocaloid5でポルタメントのタイミング調整をする裏技

こんにちは、音楽班のGMAです。

本当はKCS OBなんですが、折角の機会なので、KCSアドベントカレンダーに参加することにしました。

さて、今年の7月にVocaloid5が発表され、これまでよりもずっと歌声を手軽にかつ思い通りに調整できるようになりました。ただ、その一方でUIや仕様が大きく変わったのでVocaloid4以前から乗り換えた方は戸惑うことも多かったのではないでしょうか?

作曲をしているときに特に困ったのはポルタメントのタイミング調整。Vocaloid4以前であれば、ノートを右クリックしてプロパティを表示し、そこからタイミング調整を行うことができたのですが、それがVocaloid5には見当たらない…。5から新しく追加されたアタックエフェクトやリリースエフェクトを使うという方法もありますが、結構エフェクトのかかり方にクセがあるので、単純にタイミング調整だけしたい場合には不向きなんですよね…。

ですが、実はタイミング調整を比較的直感的に行う裏技がありまして。それは、

これを

vocaloid5

こうするだけです。

vocaloid5-2

お判りいただけましょうか?

どうやら、ポルタメントのタイミング計算にノートの長さを利用しているようで、ノートを次のノートに被せるように伸ばすことで、ポルタメントのタイミングを遅らせることができます。スクリーンショットのピッチラインを見ると、後者のほうがわずかにポルタメントのタイミングが遅れていることがわかると思います。

ちなみにこの方法では基本的にポルタメントのタイミングを早めることはできないので、その場合は従来どおり、母音分割して音を繋いであげるとか、コントロールパラメータのPortamento Timingをいじるとかしましょう。

あくまで裏技的なやり方だと思われますので、今後のアップデートで使えなくなる可能性はありますが、割と手軽にタイミング調整するのにはうってつけだと思います。ぜひ制作のお役に立てればと思います。

それでは!

←4日目 6日目→

今年もオリジナルCDアルバム出します

こんにちは、GMAです。

KCS音楽班では10月29日(日)の音系・メディアミックス同人即売会M3に向けて準備を頑張っています。

というわけで(何かしらトラブルが起きない限りは)今年もオリジナルCDアルバムの新作を出します。
タイトルは「Flowers in the mirror」です。

Flowers in the mirror ジャケット(v1.1)

↑ジャケットはこちら!

今回のCDの収録曲は7曲。価格は300円予定。ボーカロイドRanaとIAによるのオリジナル曲です。
曲調は前作に比べるとだいぶRockに寄っている感じ。
販売当日は会場でトラック1~6を試聴可能です。M3にお越しの際は是非、聴いてみてくださいね!


~トラックリスト~
作詞作曲:GMA(track1-7)
ボーカル:Rana(track1-3)IA(track4-6)

1 ランドスケープ (3:32)
2 リリィ (4:32)
3 君を継ぐ (5:21)
4 Another Mirror (5:00)
5 Timeless World (3:43)
6 Egoistic Gears (4:25)
7 Bonus Track (Instrument)

※収録曲等は全て予定です。


オリジナルCDアルバム販売のお知らせ

こんにちは、GMAです。

毎度毎度、他の記事から方向性がどんどん遠ざかってる気がしますが、今週末は矢上祭ですね。

というわけでオリジナルCDアルバム「FINIS」を販売します。

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↑ジャケットはこちら!

今回は上の1枚を販売します(300円)。(M3や三田祭ではこれに加えて音楽班からCD出しますのでお楽しみに!)

今回のCDは以下の10曲が収録されています。全てボーカロイドIAのオリジナル曲です。販売当日は会場で10曲とも試聴できますので、少しでも興味があれば是非!聴いてみてくださいm(_ _)m

ちなみにトラック1番のMagic Boxは今年度KCSイメージソングのバンドアレンジVer.です。矢上祭ではノーマルVer.の無料配布も行いますのでお楽しみに!


~トラックリスト~
作曲:GMA(track1-10)
作詞:Kew(track1)、GMA(track2-10)
ボーカル:IA(track1-10)

1 Magic Box(Band Arrange Ver.) (4:33)
2 Dots (5:46)
3 Step With You (5:19)
4 Home (3:09)
5 Ocean (4:50)
6 Eyes of your mind (2:41)
7 Roll and Role (2:15)
8 FINIS (1:18)
9 Good-bye (4:17)
10 Street Light (4:42)


DotsとOceanのショートバージョンは以下で視聴可能です!


テクノポップチックな曲づくり ~Ocean~

こんにちは、音楽班のGMAです。やたらめったら暑い日が続いてますね。

sound cloudに曲をアップしました。今回はそれの紹介です。

Ocean Short Version
作詞作曲 : GMA 歌 : IA

今回の曲はテクノポップチックなことをしようと思って作った実験作です。

トラックはこんな感じ。
どん。(整理されてなくてスミマセン……(;´Д`))

スクリーンショット (87)

自分はどちらかというとトラック少なめのシンプルな曲が好きなのですが、やっぱり打ち込みらしい曲はトラックが多くなりますね。今回の曲のキモは、

・ケロケロボイス
・サビ前の盛り上げ
・MS処理

といったところです(ほんとはまだまだあるのですが)。

まず、ケロケロボイスですが、ケロケロボイスってのは、Perfumeとかでお馴染みの機械的なボイスです。人間は歌うときに音程と音程の間を滑らかにつなぎますが、これを無理矢理、急激に音程に変わるように補正してやると独特な声になります。今回はボーカロイドに歌わせていますので、ある程度既に機械的なところはあるんですが、ガンガン補正させるためにあえて音を外したりしています。

サビ前の盛り上げはテクノなどの電子音楽でよくやる常套手段を使ってます。スネアドラムの連打や、ノイズにフィルタをかけて作るシュワシュワした音、そして、思いっきりリバーブ(反響音とかの効果のことです)を掛けたクラップ。この部分は他の部分に比べるとかなり慎重に調整しています。

MS処理は音をMidとSideに分け(音楽は普段はLRで扱うことが多いです)、Sideを強調することで広がりのある音にする手法です。音圧稼ぎの常套手段でもありますが、現代的な電子音楽感を出すのにうってつけな方法でもあります。

というわけで、本日はここまで。

それでは、また。

セルフライナーノーツ ~Dots~

どもです、音楽班のGMAです。

記事タイトルからして研究ネタが多いKCSらしからぬ感じですが、sound cloudに新曲をアップしましたので、そちらについてライナーノーツ的なものを書こうかと思います。

ちなみにさりげなく告知ですが、今年は矢上祭や三田祭などで、音楽班のCDを販売予定です。この新曲もそのCDからの曲となります。

Dots Short Version
作詞作曲 : GMA 歌 : IA

この曲は今年の2月ごろに作曲した曲で、「16ビートでアイデンティティがテーマ」という出発点からイメージを膨らませていきました。だいぶ以前からアイデンティティ(=自己同一性、自分が自分であること)については、いつか曲を書いてみたいなと思っていたので、念願叶ったり、という感じです。(なお、サビとかイントロが一応16ビートですね。)

自分が自分であることを確かめるってのは意外と難しい話だと思うんです。なぜなら、「自己同一性」という言葉には「同一」というワードが入っていますが、厳密に言えば、一時として自分が同一であり続けるなんてことは到底あり得ない。自分は毎日刻々と、自分の知らない間に変わっていくものだし、例えば「自分らしさ」というゴールに近づきたかったとしても、それは追いかければ追いかけるほど遠ざかるような、そんなものだと思うんです。立ち止まることもどこかで終着することもない。この曲で歌っているように、彷徨って自分らしきものを見つけたとしてもすぐに別れは訪れるし、そもそも「ほんとうの私」はどこにもいない。……そして、今自分が持っている言葉や思いで身を繕う。

この曲を作るにあたって、雰囲気作りにはかなりこだわりました。誰かに自分らしさを聞いて初めて分かることもあるかもしれないけれど、結局自分が自分らしいかを決めるしかない。だから、自分探しは真っ暗の宇宙を漂うような、そんな孤独な作業なんだと思います。バックで鳴っているストリングスやシンセ、パッドはそういったものを表現しています。

まあ、折角なのでKCSらしい(?)技術的な話を一つ。今回パッド(イントロやBメロでほわわんと鳴ってる空気みたいな音です。まあ、空気というよりは人の声に近い感じがするかもですが)にはSteinbergのPadshopを使用しています。これはグラニュラーシンセシスを用いた音源で、そのグラニュラーシンセシスというのは、いわば「音を粉々にして再構成することで新しい音色(おんしょく)を作り出す」というものです。正直何言ってるか分からないと思いますが、僕もよく分かりません(おい)。まあ、そういう音なんだと思ってください。そして、そういう音を使用すると何が良いかといいますと、音の抑揚や雰囲気を割と色々いじれるので、今までにないような自分でも驚くような音色に出会える、というところなんですよね。自分でも驚くような、なんて言ってしまうと、「曲作る人は初めから狙って音を作り出すものではないのか」とか言われてしまいそうですが、偶然出来たり発見した音も取り入れる、即ち新たな音との出会いは、作曲の醍醐味の一つです。うーん、やっぱりKCSっぽい感じがしない、この記事。というか、自分の知識が無さ過ぎて結局、技術面に全く踏み込めてませんね(汗)

というわけで、長くなってしまったので本日はこれくらいで。音楽班はこの夏、定期的にSound Cloudで曲を紹介していく予定ですので、そちらもお楽しみに。それでは。

音楽班紹介Ⅶ ~楽器の経験は作曲に必要か?~

こんにちは、音楽班のGMAです。ここまで毎日音楽班のメンバーが記事を更新してきましたが、毎日更新は今日が最後です!
さて、今日のテーマは楽器経験が作曲に必要かどうか、です。

やっぱり楽器経験は……必要?

まず、音楽班で実際に作曲しているメンバーたちに聞いてみると、声楽やバンド、ピアノなど、何らかの楽器経験がある人がほとんどです。僕自身はピアノや吹奏楽のパーカッション(すなわち打楽器)、弦楽(バイオリンとかチェロとかの音楽です。ビオラ(以下の画像を参照)の担当でした)などの経験があります。……となると、やっぱり楽器経験はあった方が良いのか…?とは思ってしまいますが、個人的に楽器経験はあったほうが良いが必須ではないと思っています。

music_viola
(イラストは「いらすとや」さんよりお借りしました。パッと見バイオリンにしか見えないし、実物見てもやっぱりバイオリンと見分けがつかないかもしれませんが、これが例のビオラです。)

さて、楽器経験があることの主なメリットについて、個人的な考えをリストアップしてみます。

  • 自分の経験のある楽器の音階、奏法を知っているためにその楽器を自然に扱った楽曲が作れる
  • 音感が鍛えられる
  • 作曲時に楽器を弾きながらフレーズを考えることが出来る
  • コード(和音のこと)理論を含む音楽の理論の理解が早い
  • 音楽をより楽しめる

本当に楽器経験は……必要?

ざっくり代表的なものをピックアップしてみればこんなところでしょうか。『ほら、やっぱり楽器やってないとダメじゃん!』もしかすると、そう思ってしまうかもしれませんが、果たしてどうでしょうか?

まず、一番目の楽器の理解ですが、これはどんな曲を作るかにもよりますし、大体、忙しい学生(※人による)があれもこれも楽器をマスターするなんて無理です。つまりいろんな曲作っていたらどのみち演奏したことがない、実物すら見たことない楽器だって使う機会がきっとあります。(ピアノしか弾けないからピアノ曲しか作らない、とかだとつまらないでしょう?)だから、楽器経験がない人と1,2種の楽器経験がある人の差なんて、その1,2種の楽器がうまく経験的に扱えるかだけですよ。

まあ、そんなことを言うと流石にそれは言い過ぎと言われかねない気がしますし、2番目に挙げた音感が鍛えられるって点はやはり見逃せないですね。ただ、楽器を演奏することだけが音感を鍛える方法のすべてでは無いですよね?音楽を聴くこと、歌うこと、楽しむこと……。それらはすべて音感の向上に繋がるはずです。要は音楽に接すればいいのです。(勿論ただ漠然と曲を聴くだけで簡単に向上したりはしませんが……。ス〇ードラーニングじゃあるまいし)

さて、3点目、楽器を弾きながらフレーズを考えられるですが、これについては確かにそうではあるのですが、別にこれ、演奏がうまく出来る必要はありませんよね?もし手元に楽器がなく、スマホをお持ちなら無料のピアノアプリをダウンロードしてきて適当に音鳴らしてみるだけでも良いんですよ。

次に音楽の理論の理解が早いということについてですが、これは曲者ですね。そもそも音楽の理論というのは理詰めで構築されたというよりは、経験則の積み重ねの側面が強いので、個人的には頭で覚えるより体で覚えた方が断然早いし(少なくとも初歩の段階では)融通が利きます。ただ、これについても、楽器を弾けなくとも色んな曲を聴いて研究すれば良いし、コード理論を学ぶ際は上に書いた無料のピアノアプリとか使って、和音を実際に鳴らしてみれば良いかと思います。

何がともあれ本当に必要なのは熱意!

さてさて、最後に音楽を楽しめる!という話ですが、楽器を演奏できればそりゃ勿論楽しいです。ただ、それは楽器経験が必須ということにはなりません。要は今もし楽器経験が無かったとしても、楽器を弾きたくなった時に弾けば良いんです。楽器ってなかなか高価で手が出しにくかったりしますが、今の時代なら無料のピアノアプリとかだってありますし。(もしKCSに参加してくだされば、部室にはちゃんとしたキーボードもありますし。)
……とまあ、なぜだか無料のピアノアプリの回し者になりかけている気がしますが、つまりは熱意を持ち続けることが大事です。自分のモチベーションを高く保てる方法で、音楽に接していければ、音楽を楽しめれば良いんです。

KCSはその熱意をサポートします!

この春から音楽制作を始めたい……!そう考えている慶應生はぜひKCS音楽班に一度お越しください。同じようにより良い音楽を作っていこうとしている仲間と切磋琢磨することで、きっとあなたのその熱意もさらに高まることでしょう。また、休日ではありますが4/24(日)には作曲体験会をやりますので、それにぜひ参加してもらえたらと思います!

最後に…

7日間毎日更新してきた音楽班メンバーによる紹介記事は今日で終わり。どうもまとまりのない(というかそもそも音楽班紹介になっていない)記事が多かったかと思いますが、要はそれくらいうちのサークルの音楽班はフリーダムかつ多種多様な音楽制作をやっているということです。作曲初心者の方はもちろん、作曲経験者の方も様々な音楽に触れることできっと自分自身の音楽観を広げるきっかけになると思いますよ!

毎日更新は今日で終わりではあるものの今後も定期的に音楽班の活動を発信していけたらと思っています。
それでは、また!

(おまけ)
ちなみに、やけに無料のピアノアプリを推してた気がしますが、個人的にはあくまで楽器に触れるきっかけには良いんじゃないか程度の認識です。ただ、僕個人の話をすれば録音できる無料のピアノアプリは思いついた曲のフレーズのメモに重宝していますよ。最近はWindows標準のMidi音源よりずっと良い音が出るアプリも多いみたいですしね。暇つぶしに鳴らしているだけでも結構楽しいです。

音楽班紹介Ⅵ ~矢上祭、三田祭での活動~

こんにちは。

昨年度の矢上祭と三田祭での活動を紹介したいと思います。

昨年度は音楽そのものを展示した初めての年でした。一昨年からゲームのBGMの製作はしていたものの、慶應コンピュータソサィエティが音楽を出し物にするとは想像できなかったですね。PCに製作した音楽をいれて、会場にBGMとして流したり、ヘッドホンを用意したりしました。当然、数人程度でしたが、聞いてくださる方もおり、良い記憶となりました。このような文化祭での展示があったことで、より高い目標、沢山の人に聞いてもらおう、なんて動きが音楽班に生まれたように感じます。

僕個人の話ですが、矢上祭では他のサークルでゲーム音楽を作曲している方との交流もあって、慶應の音楽のレベルの高さを痛感しました。僕は作曲して音楽班の仲間と共有した後、ネットに投稿するだけですが、実際に端末で聴いている人を横目で見るのは生々しいです。自分たち音楽班の活動の結果は、デバイスを通し、ヘッドホンで一人音楽を聴き、去ってゆく人間を作り出しているのだと。また、素直に心がすっきりしてくれたりとか、そういう反応が見える/見えないがあるので、本当に力不足だなと思えますし、もっと素晴らしい音楽をつくり、伝えていけたらと思うようになりました。

個人の反省ですが、次からは怖くても実際に感想をきけたら、よりためになったと思います。始めて間もない間は勉強不足の点を洗い出すのは大事でしょう。評価は、自分たちが文化祭でやったことの具体的な改善点になりますし、成長していくには必ず必要なことだと思います。またリベンジしたいです! おわり

 

4/24(日)に作曲体験会をやります)