止めると見えない動画

INVISIBLEWHILESTOPPING

唐突に思いついたので、止めると見えなくなる動画を作成しました。次をご覧ください。

動画再生中は、正方形が中央を中心に公転運動しているのがわかると思います。

理論的には、次のようになっています。


動画の画素Iを空間と時間の関数\(I(t,x)\)とする。

\(I(t,x)\)が必ずランダムに、\(dI/dt (t,x)\)が、希望する映像を反映したものとする。

すると、動画を再生したときには、\(dI/dt\)が知覚されることによって希望する映像を何らかの形で反映した映像を見ることができるが、静止画では、ある時間\(t\)においての\(I\)しか知覚されないため、ランダム画像として認識される。

このような性質を満たすために、汎関数\(R(I(x))\)を、ランダム性が確保されているかどうかを測定する指標を導入して性質を満たすような画素を常に生成することを考える。(ゼロ以上でランダムではないと判定されるとする。Rは画素の空間的な分布を調べる関数であり、時間的分布は調べない)\(\)

すると、満たすべき条件は、\( R(I(t,x)) <0 \)となる。これは、いかなる時刻においても、\(R(I(t,x))<0\)となるように,\(I(t,x)\)を選べば良いことを示している、

この\(R\)が、どのような関数となっているかについての厳密な議論をすると、大変な文量になってしまうので、ここでは簡易的なモデルを考える。ランダム列とは、等確率性と無規則性を満たすものであるから、この2つを簡易的に調べられるような関数を作成すればよい。今回は、次のようにする。

  • ある領域を準ランダムに選択して、その平均を調べる。この操作を何回か行って、然るべき分布との乖離(二乗誤差とか)から、閾値を引いた値をRとする。

このようにすれば、ある程度の無規則性や等確率性が調べられると考えられる。このとき、準ランダム的に選択、とは、規則的となっている画素列を発見するための選択方法を用いる、ということである。たとえば、

0,1,2,0,1,2,0,1,2,0,1,2

という列は、等確率性を満たしているが規則的である。これを発見するために領域をn=3k+p(p=ランダム)というように選択すれば、(0,0,0,0),(2,2,2,2)のような列が選択されて、平均値の分布は一様分布となる。ランダム列の平均値の分布は一様分布ではないので、これは規則性のある分布であると検出できる。

このように定義されたランダム指標\(R\)を満たすように、I(t,x)を生成する方法を考えたいところだが、一般的な方法論を導き出すのは難しそうなので、より特殊な方法を考えた。それは、次のような方法である。シード値\(h\)により生成されるランダム画像\(J(h)\)があるとする.ここで、hの値が近いほど似たような画像となるようにする。この画像\(J(h)\)は、R<0を満たす。ここで、複数のシード値から生成される画像の部分部分を切り取ってきて、一枚の画像を構成するときも、R<0を満たす[*]。よって、例えば二値化映像を元映像に用いる場合は、黒い部分の領域を\(J(h_1(t))\),白い部分の領域を\(J(h_2(t))\)として画像を構成する(\(h_i(t)\)は連続関数とする)このようにすれば、R<0となるのは明らかで、かつ同色な領域では似たような映像で、色の境界では時間的に不自然な模様(微分が際立つ)ができあがる。

[*]ある領域を準ランダムに選択して、その平均を調べ,それが常に正しい分布になっているようなランダム画像があるとする。この画像から、部分を切り取って、画像を構成するとき、切り取られる部分だけを選択して選んだ準ランダム領域も、正しい分布に従う。よって、正しい分布に従う部分領域を複数用意しても、正しい分布となる。


少々議論が危ういところがありますが、結論をいいますと、複数の「ランダムな画像」から、一つの画像を構成しても、またランダムになることを利用する。ということです。ここで注目するべきなのは、「ランダムな画像」とは、別にノイズ画像ではなくてもよい点です。最初に示した画像は、ランダムな大きさの円が規則的に並んでいますが、これは「ランダムであるということ」が「円の大きさ」だけで判定されるということです。これによって、多様な「止めると見えない動画」を生成することが可能であると考えられます。

最初に示した方法を使って、某有名な影絵を表示してみました。

 

 

 

 

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